「あんな、ボク呪いかけられてん」
「は?」
「嘘しか吐けなくなる呪い」
「……左様で」
「一言だけ本当のこと言えるんやけど、それを誰かに心から信じて貰わんと呪い解けへんのや」
「誰も貴方が本当の事を言うなど思っていませんよ」
「酷いなァ。イヅルはボクの呪い解いてくれると思ってたんに」
「今更貴方の何を信じろと」
「愛してる」
「…………」
「あ、今呪い解けた気ぃするわ」
「……信じてなどいません」
「せやけど、信じたかったんやろ?」
「…………」
「どっちみち同しことや」
ひとを喰ったような顔で最悪に美しく微笑んだ男。
僕は全霊を以て呪ってやりたかった。
…………
市丸が嘘を吐くのは呪いの所為です。
……まぁ、あちこちで恨み買ってそうだし。(笑)
「嘘」というのは市丸ギンの代名詞。