「抱かれたそうな、かおしとる」
 
ずるずるずるずる、引き込まれていく。
赤いめに射竦められて意識が彼に持って行かれる。あたまもからだもぐちゃぐちゃにされてって、訳が判らなくなりながらも焼け、るような感情だけが脳を満たしていく。あ、ああ嗚呼、あ、あああああ、あああなたを尊敬していた。憧れていた。憧憬。羨望。敬愛。畏怖。尊崇。あなたに抱いていたものは、そういうものだった筈なのに。今のぼくは何だ。
はしたない、いやらしい、みっともない、なんて、あさはかな、
 
 
最低だ。

…………
自傷的いづる。
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